相関した指標の confluence は random でも出る

チャート上に移動平均を 8 本並べて「全部が一致した!」 と見えるとき、 それは市場が構造を見せているからでしょうか、 それとも同じ価格の MA は数学的に冗長な作りだからでしょうか。 このページは予測ではなく、 統計でその問いに答えます。

honest な範囲: このページは統計を出すだけで、 シグナルは一切出しません。 合成 random walk データのみ、 実価格データ参照なし、 ブローカー接続なし、 注文機能なし、 投資助言なし。 読み方は「これらの指標を random なデータに当てたら何が見えるか」 です。

方法

数式: N_eff = K² / Σᵢⱼ ρᵢⱼ² — K = 指標数. ρᵢⱼ = 指標 i, j の Pearson 相関. 完全に独立なら N_eff = K, 完全に冗長なら N_eff = 1.

A. 移動平均 5 本 (5 / 10 / 20 / 50 / 100)

FX で最頻の「5 指標 confluence」 構成. 同じ終値に異なる期間の MA を 5 本.

読み方: random walk であっても N_eff は 1.0〜1.7 に集中し、 見かけの K=5 には遠く及びません. 「5 個一致」 は実質 1〜2 票分の独立情報. random なデータが言わないことを市場が言っている、 とは限らない構成です.

B. Fibonacci 期間 MA 8 本 — 高冗長性の罠

期間 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89 の MA. リトレースメント / Elliott 系の解説で頻出する組み合わせ.

★ 読み方: random walk の N_eff 分布と、 trend 入りの観測系列の N_eff は ほぼ同じ位置. 観測は random 分布の 90 パーセンタイル付近 ——統計的に区別できません. 「Fibonacci MA 一致」 は指標設計の冗長性であって、 価格に構造があることの証拠ではありません.

C. 多様系 5 本 (モメンタム / ボラ / 周期 / 長期乖離 / ノイズ)

同じ価格系列に対して、 真に異なる種類の信号を 5 本.

読み方: random walk でも N_eff は K=5 近くに保たれる ——設計により独立性が保たれる例. 観測系列に実際の周期構造が入っていれば、 N_eff は random 帯から穏やかに外れます. 冗長性を排した指標群とはこういう振る舞いです.

結論

指標群の「一致度」 は、 主に指標構成の設計について語っていて、 市場について語っているわけではありません. 実チャートで「美しい」 と見える Fibonacci MA confluence は、 純粋なノイズでも同じくらい頻繁に現れます. honest な対策は「指標を増やす」 ことではなく、 真に異なるものを測る指標を選ぶこと、 そして構造的に冗長な panel での『一致』 は情報量が無いと受け入れることです.

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