📐 インジケーター理論 — 正直なパラメーター入門
8 つの代表的テクニカルインジケーター (MA / RSI / MACD / ボリンジャー / ストキャスティクス / ADX / CCI / WPR) について、 数式・既定パラメーター・先行研究を公開ドメイン情報として整理したレファレンス。 これは Rei の独自理論ではなく、 1990 年代から教科書として公開されてきたインジケーター理論を Rei が読める 分析レンズとして reframing したもの です。 姉妹ページ: /ja/honest-confluence (MT4) ・ /ja/random-vs-real。
先行研究 (正直な acknowledgment)
本ページが参照する文献:
- Lo, A. W. & Mamaysky, H. & Wang, J. (2000) — "Foundations of Technical Analysis: Computational Algorithms, Statistical Inference, and Empirical Implementation", Journal of Finance 55(4). テクニカル分析を統計的信号検出問題として最初に厳密に扱った研究。
- Achelis, S. B. (1995, 2001) — Technical Analysis from A to Z. インジケーター数式の教科書的レファレンス。 既定パラメーターの大半はここに traceable。
- Pardo, R. (2008) — The Evaluation and Optimization of Trading Strategies. ウォークフォワード検証 / パラメーターロバスト性 / オーバーフィッティングの罠。
- Aronson, D. R. (2007) — Evidence-Based Technical Analysis. インジケーターバックテストへの帰無仮説検定の適用。 姉妹ページ /ja/random-vs-real の基礎。
- Wilder, J. W. (1978) — New Concepts in Technical Trading Systems. RSI / ADX / ATR / Parabolic SAR の原典。 Wilder スムージング (α = 1/n) は今も RSI/ADX の標準漸化式。
- Bollinger, J. (2001) — Bollinger on Bollinger Bands. 創案者本人によるレファレンス。 既定 20 期間・2σ はここで文書化。
上記いずれにも Rei は予測的主張を加えていません。 Rei の貢献は運用的 reframing — K 個のインジケーターの組合せが何個の独立意見を持つか (vs K−1 個のエコー) と、 観測された confluence 率がランダムウォーク帰無分布と異なるかどうかの 2 点のみ。
なぜ Rei 本体から分離して別建てか
プロジェクトの永続原則 「金融理論は Rei core に組み込まず別建てで構築」 に従い、 Rei 本体エンジン (SEED_KERNEL 理論群 / D-FUMT₈ 論理 / Lean 4 形式化) は ドメイン固有の金融分析を取り込みません。 インジケーター理論は客観統計 framing が 適用される WIC 内に host し、 Rei が読める分析レンズ (N_eff 冗長性 + ランダムウォーク帰無検定) は ページ境界で文書化されます。
代表 8 インジケーター — 早見表
| インジケーター | 数式 (概要) | 既定パラメーター | 何を測るか | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| SMA / EMA (移動平均) | SMA = Σ Cᵢ / n EMA = α·Cₜ + (1−α)·EMAₜ₋₁, α = 2/(n+1) | n ∈ 200 | トレンド平滑化。 価格遅れ = (n−1)/2 (SMA) または 1/α (EMA) | 同一系列の MA 同士は構造的に ρ > 0.85。 MA 同士の confluence は大半がエコー (N_eff レンズ参照) |
| RSI (Wilder 1978) | RSI = 100 − 100/(1 + RS), RS = avgGain / avgLoss, α = 1/n でスムージング | n = 14 | 終値ベースのモメンタムオシレーター。 [0, 100] に有界 | 「買われすぎ 70 / 売られすぎ 30」 閾値は慣例であり数学的に導かれた境界ではない |
| MACD (Appel 1979) | MACD = EMA₁₂(C) − EMA₂₆(C), Signal = EMA₉(MACD) | (12, 26, 9) | 2 つの EMA の差 — トレンド / モメンタムのハイブリッド | EMA 差分系列と強相関。 MA ファミリーから独立ではない |
| ボリンジャーバンド (Bollinger 1980s) | Upper = SMA(n) + k·σ, Lower = SMA(n) − k·σ | (20, 2.0) | SMA 周りのボラティリティエンベロープ。 %B はバンド内の価格位置を正規化 | σ は転がり標準偏差 — バンド幅はボラティリティレジームで広狭し、 シグナルそのものではない |
| ストキャスティクス (Lane 1950s) | %K = 100 · (C − Lₙ) / (Hₙ − Lₙ), %D = SMA(3) of %K | (14, 3, 3) | 直近 High/Low レンジ内の終値位置。 [0, 100] に有界 | 同一窓の RSI と情報内容がよく似ており高 ρ になりがち |
| ADX (Wilder 1978) | DI⁺/DI⁻ を方向性ムーブメントから算出、 ADX = Wilder スムーズした |DI⁺−DI⁻|/(DI⁺+DI⁻) | n = 14 | トレンド強度 (符号なし)。 ADX > 25 が慣例的に「トレンド中」 | Wilder スムージング連鎖で 2n バー分遅れる。 シグナル源ではない |
| CCI (Lambert 1980) | CCI = (TP − SMA(TP)) / (0.015 · MAD), TP = (H+L+C)/3 | n = 20 | 典型価格の平均からの乖離を平均絶対偏差単位で表す | 0.015 は値の約 70 % が ±100 に収まるよう調整された定数 |
| WPR (Williams %R, 1973) | %R = −100 · (Hₙ − C) / (Hₙ − Lₙ) | n = 14 | ストキャスティクス %K の逆向き表示。 [−100, 0] に有界 | 数学的にはストキャスティクス %K の線形変換 — ρ ≈ −1 |
パラメーター選定 — ランダムウォーク帰無仮説優先
チューニングの前に、 合成ランダムウォーク価格系列にインジケーターをかけ、 出力分布を観察する。 ランダムデータと実データで「買い」「売り」「買われすぎ」 シグナル発火率が同じなら、 そのインジケーターは存在しない構造を検出していることになる。 運用的テストは /ja/random-vs-real。
次に、 選んだインジケーター集合の独立性を確認する。 K 個の従属インジケーターは 1 つの意見を
K−1 回エコーするだけ。 MT4 上の N_eff = K² / Σᵢⱼ ρᵢⱼ² 実装は
/ja/honest-confluence 参照。
本ページが「しない」 こと
- 特定のパラメーター集合を「最適」 と推奨しない — 既定は慣例であり最適ではない。
- 価格方向 / 勝率 / 期待値の予測をしない。
- 注文の保管・ルーティング・ブローカー接続・アフィリエイトリンクを持たない。
- 既存教科書文献からの独立を主張しない — 数式群は 1970-1990 年代から公開ドメイン。
- プロプライエタリインジケーター (Panjiva / Bloomberg 限定オシレーター等のクローズドソース有償サービス) は扱わない。